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- 精神保健福祉士活躍のフィールド&講師対談
精神保健福祉士は、精神障害者に対する医療機関などからの社会復帰及び地域生活の支援にとどまらず、
時代の変遷にともなう精神保健の課題の拡大を背景にして、求められる役割、活躍の職域が広がっています。
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今、精神保健福祉士(PSW)が社会で求められる理由について、
精神保健福祉通信教育科の先生方に語っていただきました。
写真左から…
- 江野 秀輝先生(大阪健康ほいく専門学校 精神保健福祉 通信教育科 学科長、精神保健福祉士、社会福祉士、介護支援専門員)
- 岡田 良浩先生(医療法人桜恵会 さくらクリニック 理事長、精神保健福祉士)
- 東岡 久美子先生(株式会社 相交会 精神保健福祉士 うつき相談事務所 代表取締役、精神保健福祉士、公認心理師、介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士)
- 江野先生:岡田先生は国家資格化以前から精神保健の分野で活躍されてきましたよね。現在に至るまでのPSWの歴史を教えてください。
- 岡田先生:精神保健福祉士が国家資格化されたのは平成9年。精神障がい者の地域移行が最大の目的でした。
- 東岡先生:当時は、精神障がい者の社会復帰のために必要な人材が求められていたんですよね。
- 岡田先生:平成18年には障害者自立支援法が施行されて自立支援が加速。さらに平成27年に従業員50名以上の事業所には従業員のストレスチェックが義務付けられ、PSWがその役割を担っています。その目的は、心の病の早期発見・早期治療、そして労働力の強化でした。
- 東岡先生:高ストレス社会の現代において、PSWは世の中から求められる専門職。社会全体としてはもちろん、現場レベルでもその能力が必要とされる、なくてはならない役割だと言えます。
- 江野先生:実際に就労継続支援B型の事業所でも、数多くのPSWが活躍していますよね。
- 岡田先生:社会福祉士は福祉援助全般に携わるジェネリック・ソーシャルワーカー、PSWは精神保健の分野に精通したスペシフィック・ソーシャルワーカー。心の病の相談援助に当たるには、社会福祉士ではなく、やはりPSWの専門力が不可欠です。
- 江野先生:国家資格化当初はPSWの職場は医療機関や社会復帰施設でしたが、現在では従来の領域に加え、行政、教育、司法、労働分野と活躍のステージも広がっていますね。みなさん、PSWの資格の必要性についてはどうお考えですか?
- 東岡先生:PSWの資格は名称独占資格なので、未取得でも援助を行えます。ただし、「PSWを取得している」と伝えることでクライエントやそのご家族へ安心感をあたえることができ、信頼関係が築きやすくなるんです。
- 岡田先生:「国家資格=専門力の証」と言えるかもしれませんね。実際、資格取得までの学習を通し、確かな知識を得ることができます。心療内科クリニックの経営に関わる立場としても、これから有資格者を増やしたいですね。
- 江野先生:PSWの資格取得者を一定人数以上配置した生活支援施設に対し、国から福祉専門職加算として単位(料金)が支給されるのも、各施設に有資格者を採用してサービスの質の向上を促す狙いがありますよね。
- 東岡先生:PSWに欠かせない条件は「人が好き」であることだと思います。
- 江野先生:同感です。現場で働く際には、相手の心に寄り添う姿勢が求められます。
- 岡田先生:笑顔と、患者さまの痛みを理解しようとする姿勢。この2つは対人援助に不可欠です。そしてもう一つ、フットワークの軽さも大切。地域を訪問したり、クライエントが働く職場に顔を出したり、PSWには行動力が欠かせません。
- 東岡先生:相手を思って足を動かすことが、信頼関係の構築にもつながりますよね。
- 江野先生:これからの時代、PSWには確かな知識が求められると同時に、相手の状況に合わせて自分の立ち位置を変えるバランス感覚も重要です。あるときには支援者、あるときには家族、またあるときには友人と柔軟に接することで、良好な関係を築けると思います。
- 岡田先生:そういう臨機応変な対応方法はとても大切です。実際、現場に出ると、教科書に載っていないようなケースに直面することも多々あります。そうした場面で対応できるよう、福祉の現場で20年以上働いてきた経験談を学生たちにたくさん伝え、学生が追体験できるようにしています。
- 江野先生:本校に通う学生は、ほとんどが社会人。和泉府中の本校と梅田会場、どちらでも受講できるのも社会人学生にとってうれしいポイントですね。
- 東岡先生:幅広い年齢層、さまざまな職種の学生たちに出会い、人脈を大きく広げることができます。
- 岡田先生:学生のほとんどが社会人だから、モチベーションがとても高い。その熱意に応えるために、経験豊富な講師陣が全力で指導に当たっています。
- 江野先生:完全土・日・祝スクーリングなど、時間の制約が少なく、社会人が学びやすい体制を整えているのも魅力。このような環境があるからこそ、全国の学生を受け入れることができます。
- 東岡先生:そうしたサポートの成果は、全国トップクラスの国家試験合格率にも表れていますね。
- 岡田先生:国民全体のメンタルヘルスは社会的な課題です。この状況を改善するには、病院や施設などの社会的資源を増やすだけでなく、精神障がいに悩む人を理解し、支援する人的資源の充実が不可欠です。「精神障がいについて知りたい」という方は、ぜひ一歩踏み出してみてください。私たちと一緒に心の健康を守ってくださる、新たな力を待っています。
- 東岡先生:中には、精神障がい者と接したことがない方もいらっしゃるかもしれません。でも心配はいりません。まず大切なのは、前述でもお伝えした「人が好き」という気持ち。必要な知識や経験は、入学後に私たちがしっかり指導します。「精神保健の現場はどんな雰囲気なのか」など、実習でイメージをつかみながら、一つひとつ知っていきましょう。
- 江野先生:福祉分野で働く方はもちろん、これまで福祉関係とは無縁だった方や、心の健康などの悩みを抱えている方にもぜひ学んでいただきたいです。みなさんの学校生活が有意義なものになるように、我々が実のある教育を全力でお伝えします。